新築一戸建て購入時の諸費用はいくら?内訳や相場を徹底解説 建売と注文住宅との違いは?

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新築一戸建て購入時の諸費用はいくら?内訳や相場を徹底解説 建売と注文住宅との違いは?

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新築一戸建て(建売・注文住宅)を購入するときには、物件の金額だけで、購入することはできず、様々な費用が発生します。これを「諸費用」といいます。

諸費用には、登記費用(登録免許税+司法書士報酬)住宅ローンにかかる費用(融資事務手数料or保証料)仲介手数料火災保険等などが含まれます。

購入時だけでなく、決済後つまり入居後にも発生する諸費用があり、「これって何の費用?」とビックリしないように、新築一戸建て購入時の物件価格以外にかかる費用を不動産業界歴20年以上のプロが実体験をもとに徹底解説していきます。

新築一戸建て購入時にかかる諸費用を、どのタイミングでどんな費用が必要になるのかステップごとに解説していきます。

住宅購入に必要な諸費用(諸経費)とは?全体の費用感

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新築一戸建て(建売・注文住宅)購入時にかかる諸費用とは、物件購入代金とは別にかかる費用のことです。詳細は後述しますが、費用目安は、新築一戸建て(建売住宅)の場合で物件価格の5%〜9%前後、仮に3,500万円の住宅を購入した場合、175〜315万円程度の諸経費がかかるということです。5%くらいの想定としては、仲介手数料が無料で、満額の住宅ローンを組んだ場合の費用感です。現金で購入する場合、銀行関係の費用がなくなりますのでもう少し安くなります。

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新築一戸建て(注文住宅)購入時にかかる諸費用はどこまでを付帯工事、どこまでを諸費用と考えるかで違ってくると思いますが、一般的に物件価格(土地+建物費用総額)の10〜12%前後が目安です。たとえば、3000万円の土地に3000万円の注文住宅(土地+建物で6000万円)を建てる場合の諸費用は、600万円から700万円程度が目安です。

また、頭金0円で住宅が購入できるというような広告がよくありますが、発生する諸費用は諸費用ローンを利用すれば住宅ローン借入額に組み込むことができますが、手付金は必ず必要となるので、一定の現金がないと契約することはできません。

新築一戸建て(建売・注文)を購入するときは、土地や建物の価格以外にも、さまざまな費用がかかります。タイミングごとに必要となる費用の種類と相場を紹介します。

発生タイミング発生する費用の種類
物件購入の契約時手付金(決済時、物件価格に充当)、印紙代、(仲介手数料半金)
引き渡し(決済)時登記費用、住宅ローンの諸費用、仲介手数料、火災保険料・地震保険料
引き渡し後不動産取得税、引っ越し費用、家具・家電購入費
維持費固定資産税・都市計画税、火災保険料・地震保険料、修繕費

また、新築一戸建ての建売住宅の場合、大手建売業者の場合、外構費用等についてはコミコミ価格となります。中小業者の建売の場合、物件によっては、外構費用別途100万円、確認申請費用別途30万円等物件資料の下の方に小さい字で記載があることがあります。特に売建住宅(建築条件付き土地)の物件でよく記載があることがあります。

さらに購入後も、住宅を保有している限り、維持費がかかります。たとえば、固定資産税・都市計画税、火災保険料・地震保険料、修繕費用が必要になります。

住宅は購入した後も多額のお金がかかるので、購入前の資金計画をしっかり考えておくことが大切です。具体的にどのような費用が発生するのか、1つ1つ解説します。

①購入する新築一戸建てが決まった時(契約時)

手付金

購入したい新築一戸建てが決まったら、購入申込み後に売買契約を結びます。この時必ず必要になるの費用が「手付金」です。手付金とは、購入の意思があることを明確にするため、買主から売主に対して契約締結時支払う金銭のことで、手付金を前もって支払うことで、契約に重みをもたせます。買主が売主に売買代金の一部を契約時に手付金として支払います。別途かかる費用ではありません。手付金は決済時、物件価格に充当されるので、諸費用ではありません。

頭金を一度預け、最後(決済時)にもどってくるイメージです。

しかし、買主都合でキャンセルをした場合は手付金は戻ってこないことになるので、軽い気持ちで契約を進めてはいけません。買主が契約締結後に勝手な理由で購入をやめる場合は、売主に支払った手付金を放棄すれば、契約を解除できます。逆に売主から契約を解約するためには、手付金の倍額を買主に支払わなければ契約を解除できません。

不動産取引における手付金の相場は物件価格の5~10%です。新築建売の場合で、4000万円の価格であれば、200~400万円必要です。しかし、多くの新築分譲会社では、中古物件(売主は素人)とは違い100万円あれば、契約してくれるところがほとんどです。注文住宅の場合、土地契約時、請負契約時に発生します。土地価格が3000万円であれば、150万円~300万円が手付金として必要になります。

分譲会社によっては、50万円くらいでも契約してくれることはあります。

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不動産売買契約書の印紙代

印紙代とは、契約書を締結する際、契約書面に対して課税されるのが印紙税です。印紙税法に基づいて定められており、納付税額は「契約書に記載されている金額」によって違います。例えば、4000万円の物件を購入する場合は、「1000万円を超え5000万円以下のもの」に該当し、税額は2万円です。ただし、不動産売買契約書については2027年3月31日まで印紙税の軽減措置が適用され、上記例の場合、税額は1万円になります。

新築一戸建てに関する売買契約書は課税対象の文書です。購入する不動産の価格によって金額は変わりますが、5000万円以下の場合、1~2万円が目安です。

建売住宅購入にあたっては、不動産売買契約書を締結するタイミング、住宅ローンを組むために金銭消費貸借契約書(金消契約)を締結するタイミングの計2回、印紙税の支払いが発生します。ただし、ネット銀行で、電子契約する場合は、印紙代はかかりません。

主な購入価格帯別の税額は以下のとおりです。

契約金額通常の税額軽減後の税額
500万円超1,000万円以下1万円5,000円
1,000万円超5,000万円以下2万円1万円
5,000万円超1億円以下6万円3万円
1億円超5億円以下10万円6万円

※軽減措置は2027年3月31日まで 「所得税法等の一部を改正する法律」により、租税特別措置法の一部が改正され、「不動産譲渡契約書」及び「建設工事請負契約書」については、令和9年3月31日(2027年)まで延長され、印紙税の軽減措置が適用されます。

関連記事:国税庁「不動産譲渡契約書」及び「建設工事請負契約書」の印紙税の軽減措置の延長について

建設工事請負契約書の印紙代

注文住宅のように土地を購入して自宅を建てる場合は、工事を依頼する会社との間で建設工事請負契約書の作成が必要です。建設工事請負契約書の作成についても不動産売買契約書と同じく、「契約書の金額」に応じて、印紙代を納めなければいけません。

税額については、不動産売買契約書と若干異なる部分はあるものの、「1000万円を超え5000万円以下」であれば同じく2万円です。また、建設工事請負契約書にも軽減措置があり、「1000万円を超え5000万円以下」の場合は1万円となります。こちらの軽減措置も2027年3月31日まで予定されています。

注文住宅の場合、土地の購入時に「売買契約書」、建築時に「工事請負契約書」

売買契約時に支払う購入諸費用

諸費用項目内容
印紙税売買契約書に収入印紙を貼る形で納める税金が必要になります。税額は売買代金によって異なり、物件価格が1000万円を超え5000万円以下の場合、税額は1万円です。 参照:国税庁 印紙税額の一覧表
仲介手数料の半金
新築一戸建て建売住宅の多くは、「(売買代金×3%+6万円)+消費税10%」を上限とする「仲介手数料」を不動産仲介会社に支払うことが多いです。契約時と残金決済時に半金ずつ請求してくる仲介会社があります。(売主つまり分譲会社が直接、販売する場合、または販売代理の場合、仲介手数料かかりません。)

関連記事:新築戸建て建売住宅購入時の仲介手数料が無料になる?売主物件と仲介物件の違いとは!

②引き渡し(決済:残代金の精算)

印紙税(金消契約)

新築一戸建てに関する売買契約書は課税対象の文書で、契約時、印紙を購入するお金が必要になります。住宅ローンを組むための金銭消費貸借契約書(金消契約)も課税対象の文書です。住宅ローンを組むための金銭消費貸借契約書(金消契約)に添付する印紙は金消契約締結するタイミングで必要になります。一般的に銀行では、銀行に関する費用は決済時差し引き実行されますが、印紙代についても決済時精算することもよくあります。

借入金額によって金額は変わりますが、住宅ローンの金額が1000万円超5000万円以下の場合、2万円が相場です。特約等がある場合、プラス200円の印紙が追加で必要になる可能性があります。印紙を購入して提出することで印紙税という税金を支払うことになります。200円の印紙は、コンビニでも購入できます。1万円・2万円の印紙については郵便局で購入することができます。

住宅ローンの金消契約は、契約方法によって印紙代が変わる点にも注意しなければなりません。たとえば、ペアローンの場合は、契約書が2通になるのでそれぞれに印紙代がかかることはイメージしやすいですが、固定金利や変動金利を組み合わせたミックスプランの住宅ローンの場合も、住宅ローンの金消契約書が2通になります。

また、住宅ローンの金消契約書に課税される印紙税額は次のとおりとなり、軽減措置はありません。

借入額税額
100万円超500万円以下2,000円
500万円超1,000万円以下1万円
1,000万円超5,000万円以下2万円
5,000万円超1億円以下6万円

登録免許税(税金)

新築一戸建て(建売)を購入すると所有権を保存・移転する「登記」が必要になります。保存・所有権移転登記や、住宅ローンを組むにあたって発生する抵当権設定登記の際、登録手続きに対して登録免許税が課されます。その登記費用として「登録免許税」と「司法書士への支払い」が発生します。

登録免許税は固定資産税評価額に税率をかけることによって求められ、特例措置も適用されます。

また、新築一戸建て(建売)の場合は、建物は未登記のため登記のために建物を調査する必要があるので、「土地家屋調査士報酬」も必ずかかります。つまり表示登記費用のことです。表示登記とは、登記されている不動産の特定を目的に、不動産登記の表題部になされる登記のことです。

登記簿上の床面積が50平方メートルを超える新築一戸建て(建売住宅)の場合、2027年3月31日まで軽減措置が適用されます。本則および軽減措置適用後の税率は以下のとおりです。その住宅用家屋の新築又は取得後1年以内に登記を受けなければなりません。

登記の種類税率(本則)軽減措置適用後の税率
所有権移転登記
2026年3月31まで軽減措置
課税標準×2.0%土地:1.5%
建物:0.3%(一般)
※特定長期優良住宅0.2%、認定低炭素住宅0.1%
抵当権設定登記
保存登記
2027年3月31日まで軽減措置
借入額 × 0.4%
課税標準×0.4%
借入額 × 0.1%
課税標準×0.15%

※令和6年度の税制改正により、登録免許税の税率の軽減措置について、保存登記・抵当権設定登記はその適用期限が令和9年3月31日まで3年延長されました。ただし、所有権移転の登録免許税の税率の軽減措置の適用期限は、令和8年3月31日(2026年)までとなっています。

参照:国税庁 登録免許税の税率の軽減措置に関するお知らせ

司法書士への支払い(司法書士報酬)

登記手続きは専門的な知識が必要になるため、司法書士が行います。新築一戸建て(建売)は、司法書士・土地家屋調査士が分譲会社から指定されることが多く、その司法書士・土地家屋調査士に依頼するのが一般的です。

報酬は司法書士により様々ですが、保存・移転登記に加え抵当権設定1本の場合、平均12~13万円くらいが目安です。15万円を超えると高いという印象です。また、ネット銀行の場合、抵当権設定だけ銀行の司法書士が指定されることがあります。

また、土地家屋調査士に支払う表示登記にかかる費用の相場は、9万円~12万円くらいです。

新築一戸建て(建売)で価格が3500万円くらいの物件の場合、保存・所有権移転・抵当権設定の費用は、登録免許税+司法書士報酬の目安35万円~40万円くらいにおさまっていることが多いです。

火災保険・地震保険

火災保険とは、火災だけでなく様々な災害から保証してくれる保険です。住宅ローンを利用する場合、加入しなければいけません。構造・建坪・エリアによって金額が違ってきますが、新築一戸建て(建売)の一般的な建坪30坪くらいの木造住宅の場合、12万円~25万円くらいが目安です。

火災だけが補償の対象となるイメージがありますが、台風による風災、台風などの水災、水漏れや盗難、住宅に車を当ててしまったなど様々な損害も対象となります。最長は5年となり、水災・家財を追加すると金額が大きく上がります。商品や補償内容によって金額は様々です。

また、住宅ローンにおいては地震保険は、絶対加入しないといけない保険ではありますが、地震が原因の火災は地震保険でないと適用されないため、リスクの高いエリアについては加入の検討をする必要があります。火災が地震等によって延焼・拡大したことにより生じた損害についても火災保険では補償の対象となりません。

また、地震保険は、政府と民間の共同事業となりますので、どの保険会社で加入しても、条件が同じなら金額は同じになります。そして地震保険は、単独で加入できず、火災保険とセットでないと加入できません。

仲介手数料(仲介会社へ支払う)

仲介会社を通して新築一戸建て(建売)を購入するときには、仲介手数料が発生します。

希望に合った新築一戸建てを探したり、住宅ローン契約の代行をしたり、売主との調整など様々なサービスに対する手数料を仲介会社に支払います。

関連記事:新築戸建て建売住宅購入時の仲介手数料が無料にできる?売主物件と仲介物件の違いとは!

売買契約前に費用が発生することはありません。

決済時まとめて全額支払うケースもあれば、売買契約時に半分、引き渡し完了時に半分を支払うケースもあります。支払うタイミングは、会社によって違います。

関連記事:新築戸建て購入時に、仲介手数料無料の不動産会社だと落とし穴あるのか?

仲介手数料は会社によって異なりますが、

仲介手数料 = (売買価格 × 3% + 6万円) + 消費税

が発生します。

関連記事:新築戸建を売主から直接買うと仲介手数料は無料で、お得なのか?(建売・売建住宅)

住宅ローン諸費用(銀行に支払う)

住宅ローンを利用し契約するときにも、様々な諸費用が必要になります。金額や内容は金融機関や住宅ローンの商品によって異なります。

住宅ローンの借り入れには、「事務取扱手数料(保証取扱手数料)」、「保証料」、「融資事務手数料」がかかります。

保証型を利用する場合は、保証料が発生し、融資事務手数料型を利用する場合、融資事務手数料がかかります。いずれか一方のお金が発生します。ただし、ネット銀行では、融資事務手数料型のみの取り扱いが一般的で、保証型は利用できません。都銀・地銀では、どちらも利用できるところは多いですが、保証型を利用する方が少ないため、融資事務手数料しか利用できないところもあります。

関連記事:auじぶん銀行の住宅ローン審査基準【徹底解説】審査は厳しいのか? がん50%保障団信無料はお得?

金利的には、融資事務手数料型の方が低く設定されており、保証型の方が高く設定されています。そのかわり、保証型は、繰り上げ返済するとその分の保証料が戻ってきます。

費用的には、融資事務手数料型は、融資金額×2.2%かかることが多いです。保証型は、100万円あたり2万円ほどかかります。

保証料型、融資手数料型両方を取り扱う金融機関と、どちらか一方のみを取り扱う金融機関とがあるので、注意が必要です。どちらが良いかは借入期間や繰り上げ返済のスピードによります。早期に返済するプランの場合、保証型の方がお得になる可能性があります。

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そもそも「保証料」とは住宅ローン利用者が保証会社に保証を委託するための費用であり、その事務手数料が「事務取扱手数料(保証取扱手数料)」です。これらを保証会社に支払う代わりに、金融機関に支払うのが「融資事務手数料」です。都銀・地銀では、融資事務手数料型を利用したとしても、事務取扱手数料が発生することが多いです。1件あたり3万円~5万円+消費税のことが多いですネット銀行では発生しないことが多いです。

また、印紙代については、ネット銀行で、電子契約を利用した場合、印紙代は不要ですが、都銀・地銀で電子契約を利用した場合、電子契約手数料が1万円+消費税ほど発生します。

尚、銀行の場合、団信の負担金は、金利の中に含まれています。団体信用生命保険(団信)とは、主債務者に万が一のことがあって住宅ローンを払えなくなった場合、残債を払わなくても済む保険のことです。

関連記事:住宅ローンの「保証料」外枠と内枠どっちがお得?保証料型と融資手数料型どっちがお得?

住宅ローンを組む際にかかる諸費用を下記にまとめました。住宅ローン関連でかかる費用の内容と金額の目安は次のとおりです。電子契約でない場合、印紙代が発生します。

費用の種類内容費用の目安
ローン取扱手数料ローンの手続きの際に金融機関へ支払う手数料(都銀・地銀のみ)3万円〜5万円+消費税
保証料保証会社を利用する際に支払う手数料(都銀・地銀のみ)100万円あたり2万円くらい(期間35年の場合)
融資事務手数料金融機関へ支払う手数料融資金額×2.2%
電子契約手数料都銀・地銀で、電子契約を利用する場合の費用5,000円~1万円+消費税

住宅ローンの手数料について下記の2パターンのどちらを選択するかで費用が若干変わってきます。

2パターン
保証料一括支払型の場合:借入金額、借入期間に応じた金額で期間35年で100万円あたり2万円くらいが目安
金利上乗せ型の場合:年0.2%金利上乗せで初期費用0円
融資事務手数料借入金額の2.2%(税込)が目安

新築一戸建て(注文住宅)で、土地を先に決済して、建築していく場合、自己資金と分割融資で資金繰りが付かないと、つなぎ融資が必要になります。ネット銀行では、分割融資に対応していないことが多いので、注文住宅の場合、都銀・地銀の方が使い勝手がいいことが多いです。売建住宅つまり建築条件付き土地を契約する場合も注文住宅と同じようにつなぎ融資が必要になる可能性があります。

関連記事:建築条件付き土地はトラブルが多い!購入前に絶対知るべき注意点

工事の着工時に支払う着工金や、上棟時などに支払う中間金、竣工時に支払う竣工金など、金額はハウスメーカーによって異なりますが、着工時・上棟時・竣工時にそれぞれ工事費用の約30%を支払うケースがよくあり、融通が利かないハウスメーカーだとつなぎ融資が必ず必要となります。

つなぎ融資は、住宅ローンが実行されるまでは利息のみを支払い、建物完成のタイミングで住宅ローンを使ってつなぎ融資を清算するというのが、つなぎ融資の一般的な仕組みです。金利は一般的な住宅ローンと比較すると高めに設定されており相場で約2~4%くらいで、別途ローン事務手数料なども必要になります。完成するまでの期間が長いほど金利負担が大きくなります。

諸費用で見落としてはいけないのが、建売業者によっては、外構費用別途とか建築確認申請費用別途とか水道市納金別途とか、本来、本体価格に入っているべきものが、諸費用扱いのような見せ方をしているケースがあります。これは、広告戦略上できるだけ安く見せたいのが一番の目的だと思われますが、お得な買い物なのかどうか?比較検討する上では、トータルコストで比較しなければいけません。つまり諸費用として考えるのではなく本体価格として考えるべき費用です。物件の見せ方として少しでも安く見せ、客引きしていきたい、利幅を少しでも多く取りたい意図が読み取れます。大手分譲会社の場合、コミコミ価格で、飯田グループの場合、そのような費用は物件価格の中に含まれています。

引き渡し後(決済後)

不動産取得税

不動産取得税は、不動産(土地や建物)を取得した人が都道府県に支払う税金です。入居してしばらくした頃、およそ取得後6ヶ月~1年の間に自治体から「納税通知書」が送られてきます。地方税で、納税先は都道府県となります。決められた納期までにコンビニや郵便局などで支払います。

不動産取得税の税額は、「課税標準額(評価額)×税率」で計算できます。課税標準額とは法律上、その不動産の価格ですが実際に売買したときの時価ではなく、原則として固定資産税評価額と呼ばれる公的な価格が元になります。

計算方法は、

土地・建物の税額 = 課税標準額(固定資産税評価額) × 4%

です。

新築一戸建ての場合、床面積の広さ等要件を満たせば軽減措置が受けられます。建物については評価額から一定額が控除され、新築一戸建て住宅であれば1200万円が控除されます。

不動産取得税の税率                                       【原則】
宅地……×4%
建物……×4%                                         【軽減措置】
宅地……評価額×1/2×3%
建物……評価額×3%
※軽減措置は、2027年3月31日まで

関連記事:国土交通省 不動産取得税に係る特例措置

軽減措置の手続きは住んでいる地域によって異なり、不動産取得税の軽減措置を受けるためのポイントとして、申告が必要となるケースがあるので注意が必要です。

引っ越し費用

引っ越し代もそこそこまとまったお金が必要です。引越しの価格相場は、荷物の量や移動距離、そして引越し時期によって大きく変わります。繁忙期と通常期では、5万円以上もの差額がでてきます。少しでもお得に引越しするためには、相見積もりを取り比較検討するのが鉄則です。

特に高くなるのが春の引越しシーズンで、依頼が殺到する2・3〜4月は繁忙期で、それ以外の時期(5〜1月)と比べて引越し費用が大幅に高くなる傾向があります。また、土・日・祝日を避けて平日に引越しするのもオススメです。また、引越しの価格は引越しの時間帯によっても変動し、午前便より午後便のほうが安くなる傾向があります。また、縁起がよいとされる大安を避けるのも、引越し費用を安くする方法として有効です。

引っ越し完了時に現金で支払うのが一般的なので準備しておく必要があります。

テレビアンテナ工事費用・カーテンレール・バルコニーの屋根の後付け

新築一戸建てでは、カーテンレールが付いていないことが一般的です。また、バルコニーに屋根はついていません。また、アンテナも付いていません。

どうしても屋根のない駐車場に屋根をつけたい場合や、バルコニーに屋根をつけたい場合、後付けするためのリフォーム費用が必要となります。

また、新築一戸建てでは、アンテナを購入・設置してテレビ線を引き込む工事をしないとテレビは見ることができません。テレビを見る方法としては大きく分けて2つあります。

  • テレビ線を電線から引き込みアンテナを設置する
  • 光回線・ケーブル回線などでテレビ視聴を申込む

それぞれメリット・デメリットがありますが、アンテナを設置して電線から引き込む場合、毎月のランニングコストは発生しませんが、天候や周囲の建物によって映像が乱れる可能性があります。

新築一戸建ての場合は、エアコンのホースを通す穴が空いていない物件が多いです。その分の工事費用が高くなります。ごく稀に、最初から穴が空いている物件もあります。

カーテンレールも付いていないことが一般的で、カーテンと合わせて購入する必要があります。カーテンには、既成カーテンとオーダーカーテンがあり、デザインにこだわりがなく、サイズが合うものがある場合は既成カーテンであれば、予算を抑えることができます。カーテンの費用相場は、15~30万円くらいが目安です。

新築一戸建てに入居後、継続的にかかる費用

固定資産税・都市計画税

固定資産税とは、土地や住宅などの不動産を所有している人が市町村に支払う税金のことです。その年の1月1日時点で所有している人が納税義務者となり、5月~6月頃に自治体から納税通知書が送られてきます。課税対象は土地と建物の両方で、土地・建物で別々に課税されるのが特徴です。

固定資産税の計算方法は、

固定資産税=固定資産税評価額×標準税率1.4%

です。

固定資産税は土地と建物に課税されますが、新築一戸建ての場合、軽減措置があり、新築住宅にかかる固定資産税を3年間(マンション等の場合は5年間)、2分の1に減額します。適用期限が2026年(令和8年)3月31日までとなります。また、新築の認定長期優良住宅については、固定資産税を5年間(マンション等の場合は7年間)2分の1に減額する特例措置がございます。

関連記事:国土交通省 新築住宅に係る税額の減額措置

ただし、令和4年度の適用対象の見直しにより、土砂災害特別警戒区域等の区域内で、都市再生特別措置法に基づく市町村長による適正な立地を促すための勧告に従わないで建設された一定の住宅については本特例措置の適用対象外となります。

関連記事:国土交通省 令和4年度税制改正のポイント

宅地については控除の範囲は土地の面積により変わります。固定資産税には「住宅用地の特例措置」が設けられており、居住用の宅地として利用されている土地(住宅用地)は税金が軽減されます。具体的には、下記のように200平米以下の部分は課税評価額が6分の1、200平米を超える部分については課税評価額が3分の1となります。

<控除の範囲>

  • 小規模住宅用地(200㎡以下の部分):固定資産税評価額×1/6
  • 一般住宅用地(200㎡超の部分):固定資産税評価額×1/3

関連記事:総務省 固定資産税の概要

関連記事:新築一戸建ての固定資産税の相場はいくら支払うの?固定資産税の評価証明書って?公課証明って?

都市計画税は固定資産税とあわせて納付する税金で、都市計画法による市街化区域内にある土地・建物が対象となります。固定資産税との違いは、課税対象となる資産が限定される点で、対象となる土地・家屋は、原則として市街化区域内に存在するものになります。

都市計画税の計算方法は

都市計画税額=固定資産税評価額 × 最大0.3%(制限税率)

都市計画税は軽減措置も同様に土地面積によって変わります。

<控除の範囲>

  • 小規模住宅用地(200㎡以下の部分):固定資産税評価額×1/3
  • 一般住宅用地(200㎡超の部分):固定資産税評価額×2/3

自治会費

新築一戸建てに引っ越すとエリアによっては自治会への加入が必要なケースがあります。その場合、自治会費が必要となります。

自治会費は管理している照明の電気代やごみ集積場の掃除・管理・道具購入、お祭りなどの催し・イベントの費用などに充てられます。

メンテナンス費

新築一戸建てなら、マンションと違って修繕積立費のように毎月強制的に支払う必要はありませんが、リフォームやメンテナンスの費用は自分で積み立てをしておく必要があります。新築一戸建ての購入後の修繕で一番お金がかかるのが、外壁・屋根・シロアリ・水回りです。

戸建ての場合、外壁や屋根は平均10年~15年で修繕が必要になることが多いです。

また、水回りも10年を超えると水漏れ等で消耗品の取り替えが必要になります。水回りをまるごと変えてしまったりするとリフォーム費用がかなりかかります。計画的にメンテナンス費用として積み立てしておくことが必要になります。

関連記事:新築一戸建て(建売住宅)を買う前に考える購入後の注意点!維持費はどのくらいかかる?

新築一戸建ての諸費用を低く抑えることは可能?3つのポイント

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初めて具体的な商談となり、物件価格以外に諸費用がこんなにかかるのかと驚いた方も多いと思います。新築一戸建て購入時の諸費用を抑えることは可能なのかどうか気になるところです。

結論からいうと、仲介手数料や火災保険や銀行関係の費用は工夫次第で低く抑えられます。例えば、仲介手数料は上限額しか決まりがないため、価格を下げるよう交渉すること自体は可能です。ただ、仲介手数料は不動産仲介会社の業務への対価のため、無理な価格交渉は避けるのが無難です。

関連記事:ローン事務代行手数料は支払う必要はありません!あの手この手の名目でダブルで請求横行

住宅ローン関係費用も大きな費用がかかる項目ですが、費用は金融機関によって若干異なります。諸費用の金額だけでなく金利や融資条件とのバランスを見ながら、なるべく手数料を抑えることができるローン商品を絞り込んでいくことが大切です。例えば、諸費用ローンを利用する時、抵当権設定が1本になるのか2本になるのかによっても登記費用が違ってきます。

また、火災保険料は補償内容に応じて保険料が大きく変動します。補償を手厚くするほど保険料は高くなるので、不要な特約を除くことができれば保険料を抑えることができます。

また、入居時期を調整できるのであれば、毎年2月〜4月にかけての繁忙期を避けることが理想ですが、できなくても平日に引っ越したりすることで費用を節約できます。

また、トータルコストを削減するためには、諸費用を削減するだけでなく、できるだけ値段交渉で物件価格そのものを安く手に入れることが大切になります。

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金融機関選び

金融機関選びは35年トータルコストを考えた場合、かなり大きな金額の差がでてきます。少しでも金利条件がいい銀行を探すと同時に適用される手数料が金融機関によって若干変わりますので、最適な金融機関を選ぶことができれば、諸費用を安く抑えると同時に35年のトータルコストを抑えることが可能です。

住宅ローンを選ぶ際には、ある程度審査基準や金利水準から金融機関を絞り込んだ上で、複数の金融機関に事前審査をしておくことが理想です。

火災保険選び

火災保険選びも諸費用において大きく金額がかわります。火災保険は補償内容によって金額が大きく変わります。火災保険で大きく金額が変わるのが、水災に加入するかどうか、家財にも保険をかけるのかどうかです。
たとえば、ハザードマップでリスクのある建売住宅を購入する際は、水災に関する特約を入れるべきですが、そうでないエリアの場合は特約を省くことで費用を抑えることができます。
このように、火災保険に加入する保険会社や補償内容を厳選することにより、諸費用をできるだけ抑えることができます。火災保険も複数社に見積もりを取り、比較検討することが大切です。

仲介手数料

仲介会社は正規手数料として3%+6万円+消費税を請求することが一般的ですが、新築一戸建て建売住宅の場合、両手取引になることもあり、不動産仲介会社によっては、割引・無料で仲介業務の価値提供を行っているところがあります。仲介手数料は上限が決まっていますが、下限については決まりがありません。そのため、最初から割引が可能な不動産仲介会社を選んで購入すれば、安く抑えられるケースもあります。

ただ、仲介手数料はあくまでも仲介業務への対価なので、無理な交渉は避け、最初から無料・割引を強く希望している場合、無料・割引を行っている会社にまかせるのが無難な選択肢です。途中で仲介会社を変えようとするとトラブルになる可能性があるため、どこから購入するか決めてから動くことが大切です。

関連記事:新築一戸建(建売)の仲介手数料は無料・値引きできるの?仲介手数料の値引交渉の注意点とデメリット

4,000万円の新築一戸建てで諸費用をシミュレーション

仮に4000万円の新築一戸建て建売住宅を購入する場合のシミュレーションは下記のようになります。
【前提条件】
・物件価格:4,000万円
・自己資金:諸費用分だけ自己資金で用意
・住宅ローン借入金額:4,000万円
・都市・地方銀行にて借り入れする場合
・返済方式:元利均等返済、ボーナス払いなし
・返済期間:35年

諸費用名諸費用例(税込)
仲介手数料138.6万円
印紙税(売買契約書)1万円(軽減措置の適用)
事務取扱手数料3.3万円~5.5万円
融資事務手数料88万円(4000万円×2.2%)
印紙税(金銭消費貸借契約書)2万円(電子契約の場合、1.1万円)
火災保険+地震保険料15万円(5年間の一括支払い)
表題登記費用10万円
登記費用(保存・移転・抵当権設定)35万円~40万円
固定資産税等清算金10万円以内
不動産取得税0円(軽減措置の適用により、
不動産取得税が発生しないケース)
合計300.1万円

シミュレーションの結果、4000万円の新築建売住宅購入の諸費用の合計は約300万円となりました。物件価格4000万円の約7.5%です。
一番多くかかる費用は仲介手数料、銀行にかかる費用、登記費用です。
また、3000万円~4000万円くらいの新築建売の場合、軽減措置の適用によって不動産取得税が発生しないことが多いです。建売住宅を購入するうえで軽減措置が延長されたことは大きなメリットです。
これは、あくまで仲介手数料が満額発生するという条件でのシミュレーションです。当社では、新築建売住宅限定で、仲介手数料無料or半額でのサービスを行っています。

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住宅ローンで諸費用も借りることは可能?

諸費用を住宅ローンに組み込むことは可能です。諸費用ローンを利用すれば可能にはなりますが、どの銀行でもスコアリングが悪くなり、貸出金利の条件が悪くなる可能性があります。できるだけ、諸費用は、現金で用意しておくのが理想です。

また、諸費用ローンを利用すれば、自己資金がまったくゼロ円でも契約を進めることが可能ではと思ってしまいがちですが、契約時必要になる手付金を捻出できないと、契約を進めることができません。つまり自己資金がまったくない状態では購入できないということです。

また、諸費用ローンを借りることで金利が上がる可能性だけでなく、合否のラインギリギリの方の場合、最悪審査に落ちてしまう可能性があることも注意が必要です。

諸費用を抑えるために大切なのは不動産会社選び!

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仮に同じ物件を購入するとしてもA社で購入するのと、B社で購入するのと諸費用は違います。つまりどの会社で購入しても諸費用が同じというわけではありません。

かりに諸費用を大きく抑えることができれば、もう少し物件価格を上げることも可能になり選択肢が増えます。また、諸費用をおさえることができれば、諸費用を現金で用意することが可能になるかもしれません。諸費用ローンを利用しなければ、優遇金利を最大に受けれる可能性があるかもしれません。

しかし、諸費用を抑えるためだけでなく、金利面・値段交渉による物件価格を含めた35年のトータルコストをできるだけ抑えるために最も大切なのは会社選び・営業マン選びです。

まず最初に、いい営業マンに出会えると物件探しがスムーズになります。

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代表者紹介
貝野 勝弘

【業界経験】不動産業界25年目です。
マンションデべロッパー、大手仲介会社(住友)、大手建売会社(飯田グループ)を経ておりますので、マンションから土地・戸建・収益まで納得いく選択をサポートします。生涯のパートナーを目指して頑張ります。

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